お風呂のリフォームは、10年から20年越しの大きなお買い物です。皆さんは、お風呂を自分好みにリフォームできる方法を、ご存知でしょうか。
実際のところ、「自分好みにしたいけど、詳しいことはわからない…」という方も少なくありません。
同時に、長く使うお風呂の選択は非常に重要。できるだけ自分好みで機能性も高いお風呂にしたいですよね。リフォームの方法には様々ありますが、在来工法は自分の家ならではのこだわりのお風呂を作りたい方にとてもおすすめの方法です。
ここからは、「在来工法」という方法のリフォームについて詳しくご紹介していきます。在来工法でお風呂をリフォームするとどのようなメリットがあるのか、はたまたどのようなデメリットがあるのか。これからお風呂のリフォームを予定している方は是非これを読んで参考にしてみて下さいね!この記事を読めば、きっとあなたにとって最適なリフォーム方法が理解できることでしょう。
在来工法とは
まずは在来工法でのリフォームがどのようなものなのか、ご紹介していきます。
1-1. 在来工法とは
在来工法とは、日本で昔から採用されているお風呂の作り方です。床や壁、浴槽や窓にいたるまで、その場で職人が作り上げます。
在来工法を取る場合、お風呂の間取りや設計からデザインの細部まで、詳細な打ち合わせが必要になります。
一方で、思う存分自分のこだわりを取り入れたお風呂を作ることが出来るのです。
1-2. 在来工法以外のリフォーム
近年、在来工法でのリフォームは減少傾向にあります。それはなぜかというと、ユニットバスの誕生によるものです。
ユニットバスは、床や浴槽、天井までが全てセットになっているお風呂のこと。つまりばらした部品を運んできて、浴室内で組み立てるだけでお風呂が完成してしまうのです。
このユニットバスは在来工法に比べて価格も低く、工事の手間もかからないことから近年人気となっています。
また、ユニットバスに在来工法の技術を一部取り入れたハーフユニットバスと呼ばれるリフォーム方法もあります。基本的な部分はセットになっており、天井などを在来工法で好きなようにデザインできるというものです。
1-3. ユニットバス風在来工法というものも
在来工法の中でも、ユニットバス風のリフォーム方法があります。それはユニットバス風在来工法というものです。
これは在来工法のお風呂の土台を利用し、その上から壁やシートを貼ることによってユニットバス風のお風呂を完成させるというものです。
本来の在来工法に比べて手間もコストもかからずに済みます。
在来工法のメリット
近年人気が落ちている在来工法ですが、実は他のリフォームにないメリットもあります。
2-1. 自由なデザインが選べる
在来工法の一番のメリットがこれでしょう。
お風呂のデザインをこだわり抜きたいという方にとって、在来工法は非常におすすめです。どのような色合いのお風呂にするか、どんなバスタブにするか、自分で決められるデザインは無限大。さらに壁に柄を入れたり、出窓を作るなどといった設計も全て自分で決めることが出来ます。
自分の理想にぴったり合ったお風呂を作れば、毎日のバスタイムもきっと楽しくなることでしょう。
2-2. 好きな素材を使える
在来工法でリフォームする場合、自分の好きな素材を使うことが出来ます。
例えばユニットバスにはないヒノキといった木の素材を使って、純和風なお風呂を作ることも出来るのです。
はたまた人工大理石を使ってラグジュアリーな雰囲気を演出することも可能。
また床は滑りにくく、などといった機能面でも自分で全て指定が出来ます。
お風呂に使う素材にまでこだわれるのは、在来工法のメリットです。素材から選ぶことで、お風呂への思い入れも一段とアップしそうですね。
2-3. デッドスペースを無くせる
在来工法の良いところは、設計を自分で決められるので好きにスペースを使えるという点です。
特に戸建ての家の場合、お風呂の形がユニットバスにマッチしない場合も多数。その際にどうしてもデッドスペースが生まれてしまうこともあります。
しかし、一からオーダーメイドで仕上げる在来工法ならそんな心配は一切要りません。自分の浴室空間に完全にマッチしたお風呂を作り上げることが出来るのです。
スペースを無駄にしないという観点でも、在来工法は非常に有効です。
2-4. 丁度良いサイズのお風呂を作れる
自宅の浴室の大きさや奥行きに、ユニットバスの寸法が合わない場合もあります。そんなときにはサイズの合わないユニットバスを無理やり入れずに、在来工法で仕上げた方がぴったりサイズのお風呂が作れます。
浴室にジャストサイズで浴槽がはまれば、それだけ空間を有効につかえることになります。つまり最大限に空間を広く使える浴槽が置けるのです。
お風呂は広いに越したことがありません。空間を最大限に広く使えるのも在来工法の魅力です。
2-5. お風呂の楽しみが増える
在来工法は既存のデザインを選ばず、一から自分でカスタムするという楽しさがあります。
ただカタログから選んだお風呂よりも、自分で何度も打ち合わせをしながら作り上げたお風呂の方がきっと完成した時の喜びもひとしおでしょう。
また、毎日のお風呂が特別な時間になっていくに違いありません。自分で作ったともいえるお風呂にゆったりと浸かれば、いつになくリラックスできるでしょう。
在来工法のデメリット
それでは続いて在来工法のデメリットを見ていきましょう。
3-1. コストがかかる
在来工法があまり採用されなくなったのは、おそらくコストが大きな原因でしょう。
自分好みのお風呂を作れる反面、一から現場で仕上げていく在来工法は部材も手間も時間もかかります。ユニットバスのリフォームに比べて必要な職人さんの数が多く、稼働時間も長いためコストがかかるのです。
コストの差は業者や使う素材などによっても異なりますが、こだわりを入れればそれだけ金額は上がっていきます。
3-2. 工事期間が長くなる
在来工法は工事期間が長いのも特徴です。
ユニットバスは既存のお風呂を解体してしまえばあとはすでに出来ているお風呂をバラバラに搬入し、中で組み立てるだけです。
しかし在来工法は床の素材や、必要部材を一から職人さんがその場で作り上げます。組み立てではなく生成から行うので、当然手間もかかるのです。
在来工法を採用した場合、工期は少なくとも2週間は検討しておくのが無難です。
ちなみにその間はずっとお風呂が使えません。その間どこか宿をとるか、家族や親せきの家で一時的に生活するなど考えておく必要もあります。
3-3. お風呂の保温性が損なわれる場合も
在来工法はユニットバスよりも保温性が低くなってしまうことがしばしばあります。
ユニットバスはお風呂全体が箱型になっており、かなり保温性が高く設計されているのが特徴です。しかし在来工法の場合、一からお風呂を作り上げると隙間が生じやすくなります。
そのため外から冷気が入ってきやすくなるリスクがあるのです。
何よりも保温性を重視したい方はユニットバスを選択した方が良いかもしれません。
3-4. 補修や部材の後付けが難しくなる
特殊な形状の浴槽を入れたり、他にはないような変わった設計にすると、修理や機能の後付けなどが出来なくなる場合があります。
特に配管が劣化したり、床の部分が腐食したりしていることが判明した場合、一回全ての床を解体する必要があるかもしれません。
また、天井にこだわった結果、浴室乾燥機能を後付けできなかったといったケースもあります。
在来工法を使う場合は修理やメンテナンスのしやすさなども視野に入れて検討すると良いでしょう。
3-5. 職人により仕上がりに差が出る
在来工法は仕上がりが職人の得意不得意や腕にかかってきます。
職人さんによっては、注文したデザインのようなお風呂を作るのが初めてだという方もいるかもしれません。在来工法の場合は熟練した職人さんへ依頼することが非常に重要なのです。
一方、ユニットバスの場合は決まった手順でお風呂を組み立てるだけ。手順がシンプルで非常に簡単なので、誰がリフォームしても仕上がりにそこまで差が生まれないのが特徴です。
在来工法でリフォームするときの費用や期間
それでは気になる在来工法の費用や期間をご紹介していきます。
4-1. 在来工法のお風呂からユニットバスへ
在来工法のお風呂をユニットバスへ変更する場合、費用は80万円~200万円がかかります。この内訳はユニットバス代が30万円~100万円、工事費50万円~150万円です。
ユニットバスにはグレードがあり、ハイクラスになればなるほど機能も充実する反面、価格も上がります。
さらに工事内容は既存の浴室の状況に応じて変わるので、かなり金額に幅があります。
在来工法からユニットバスに変える場合は全て既存のお風呂を解体するので、そこで工事費がかかるのです。
工事期間ですが基本的には1週間~10日前後が目安です。一度お風呂を解体し、基礎を作ってしまえばそこからはかなり早く組み立てることが出来ます。
4-2. 在来工法のお風呂からユニットバス風在来工法へ
在来工法のお風呂を全て解体することなく、その土台を利用してユニットバス風在来工法へリフォームする事も出来ます。この場合の総額はおよそ50万円程度。
解体作業がなく、既存の壁や床にシートを貼ることによってユニットバス風のお風呂を作れるのでかなり価格が抑えられます。
ちなみに既存の浴槽をそのまま使えば30万円程度で済む場合も。価格を抑えたい方にはおすすめです。ちなみにこのリフォームは2日~1週間程度で完了します。
工事期間も少なく非常にお手軽です。
4-3. 在来工法のお風呂を再度リフォーム
在来工法のお風呂を再び在来工法でリフォームすることも出来ます。この場合、総額は100万円~200万円以上となるでしょう。
ちなみに金額に上限はなく、選択する素材や工事の難易度、手間によって工事費用は変わります。
元々のお風呂を解体して補修をするのはおよそ30万円程度の工事費ですが、そこから新たなお風呂を作るのにかなりの費用がかかります。
ちなみにこのリフォームでは2週間~3週間以上の日数がかかることが予想されます。
かなり大掛かりな工事になるので、その間のお風呂や騒音対策も考える必要がありそうです。
まとめ
在来工法のリフォームについてご紹介しました。
自分の家ならではのこだわりのお風呂を作りたい方にとっては非常におすすめのリフォーム方法といえます。
一方、コストや工事期間はかなりかかることが予想されるので、予算と時間には余裕をもって依頼することをおすすめします。