お風呂が古くなったり、壊れたりした時に行うリフォーム。マンションに住む皆さんは、どのようにリフォームをするかご存知ですか?
実際のところ、「一軒家とマンションのお風呂リフォームは、どう違うの?」という疑問を持つ方もいらっしゃることでしょう。
実は、マンションはユニットバスが採用されていることが多く、一軒家と比べてマンションの管理規則などを気にする必要が出てくるのです。しかし、長く使うお風呂は、自分の理想的な空間であってほしいですよね。
ここからは、お風呂のリフォームの中でも「マンション」のリフォームにスポットライトを当ててご紹介します。この記事を読めば、最適にリフォームができる方法が理解できることでしょう。
マンションにおけるお風呂リフォームの基礎知識
まずはマンションにおけるリフォームについての基礎知識をご紹介します。
1-1. マンションはユニットバスが基本
お風呂は大きく分けて3種類に分類できます。1つはユニットバス、2つめは在来工法によるお風呂、そして3つめがハーフユニットバスというものです。
この中でもマンションのお風呂はユニットバスが採用されていることが一般的です。
ユニットバスは工事も簡単、本体価格も非常に安い傾向にあります。そのうえ保温性が高く、機能的というメリットもあるのです。
1-2. ユニットバスのグレード
ユニットバスにはベーシック、ミドル、トップと大きく3種類のグレードがあります。グレードが上がるほど多機能でデザイン性も高く、当然ながら金額も上がります。
ベーシックのユニットバスはおよそ40万円以上で購入可能です。
ミドルクラスのものになると60万円以上。
そしてトップクラスのものでは80万円以上という価格帯になります。
ちなみにこれは本体価格です。ここに加えて、工事費やオプション機能の価格が追加されてリフォームの総額となります。
1-4. お風呂のリフォーム費用相場
ユニットバスのグレードに応じて、リフォームの総額は大きく変動します。
一方、工事費はユニットバスの取り換えの場合10万円台~30万円前後が一般的とされています。
そのためユニットバス取り換えにかかる総額は最低でも50万円台。ユニットバスのグレードが上がれば容易に100万円を超えることもあります。
ただしこれはユニットバスからユニットバスへの取り換えの場合です。
在来工法のお風呂をユニットバスへリフォームする場合にはさらに工事費が増えることを想定しておくと無難でしょう。
理想的なお風呂を実現するコツ
マンションのお風呂といえど、やはり自分の理想に近いものを導入したいですよね。そこでここからは自分の希望通りのお風呂へリフォームするコツをご紹介します。
2-1. ユニットバスの中から希望のものを選ぶ
まずはユニットバスのラインナップを色々見てみましょう。
最初は自分の希望や理想がなくても、徐々にカタログやインターネットでの情報を見ていくうちに好みがわかってきます。
例えばLIXILやTOTOはユニットバスでトップシェアを誇るメーカーです。どこから調べようか迷ったら、この2社の商品ラインナップを見てみることをおすすめします。
もしこの段階で自分の好みに合うものが見つかれば、そのお風呂で本格的に検討してもいいでしょう。
2-2. 浴槽の素材を選ぶ
ユニットバスではなく、1からお風呂をこだわって作りたい方もいるでしょう。特に浴槽にこだわりたい方は、浴槽にも色々な種類があることをおさえておきましょう。
現在ユニットバスで最もよく使われているのはFRPという素材で出来ています。この素材は保温性にも優れ、手触りもいいのが特徴です。
他にも耐久性を求めるならホーロー、保温性を求めるならステンレスがおすすめです。
高いデザイン性や美しさを求めるなら人工大理石製のものが良いでしょう。
和風にこだわりたい方は、ヒノキなど木製の浴槽を導入する人もいます。
2-3. 床・天井・壁の素材を選ぶ
続いて床・天井・壁に使われる素材についてです。
ユニットバスで最も使われているのが樹脂。これは保温性が高く、速乾性にも優れている素材です。
一方、昔ながらの工法で多く用いられてきたのがタイル。様々なデザインが実現できますが、保温性は低くカビが生えるリスクも高いのが難点です。
さらにお手入れのしやすさを追求するならステンレスという選択肢も。カラー選択の余地はないものの、保温性も高いのが特徴です。
木製はリラックス効果がありますが、乾きにくくカビの原因になります。
2-4. 扉の種類を選ぶ
お風呂の扉をカスタムするのもリフォームの1つです。
一般的にユニットバスで多く使われるのが開き戸です。これはドアを押し引きして開閉するタイプの扉。
こだわりがなければこれでも全く問題ありませんが、中でもし人が倒れてしまったときなどに開かなくなる危険性もあります。
介護向けにリフォームする場合は、折れ戸や引き戸などを検討すると良いでしょう。
折れ戸は場所も取らずコンパクトで非常に勝手のいい扉です。一方、引き戸の場合は戸袋を新たに作る必要があります。
2-5. 全体的なカラーを考える
お風呂の全体的な色合いは、大きく印象を左右します。
色はユニットバスを購入した際に自分でカスタムできる場合がほとんど。選択できるラインナップの中から自分に合うものを見つけましょう。
また、色だけでなく壁に柄をつけたいなど細かいこだわりがある場合は、ハーフユニットバスや在来工法によりリフォームを検討する必要があります。
2-6. つけたいオプションを考える
お風呂のデザインだけでなく、機能にも目を向けてみましょう。スタンダードな追い炊きなどの機能のほかに、欲しい機能はありませんか?
例えば浴室暖房乾燥機能やジャグジー機能など。
元々付いていれば特に工事は必要ありませんが、新規にこうしたものを追加するとなるとオプション料金がかかる場合があります。必要な機能は工事前にしっかり検討しておきましょう。
マンションのお風呂をリフォームする前の注意点
マンションのお風呂をリフォームする時には、いくつか注意点があります。これらを忘れてしまうと後からリフォームをやり直す必要さえ出てくる場合もあります。
事前にしっかりと確認しておきましょう。
3-1. マンションの管理規約や使用細則をチェック
まずは自分でリフォームをどこまでしていいのか、という点です。こうした決まりはマンションによって異なります。
一室を購入した後であっても、マンションにおけるリフォームにある程度制限は付き物です。
管理規約や、使用細則などといった書面を事前に確認し、自分のやりたいリフォームが出来るかどうか確認しましょう。不安であれば管理人に問い合わせてみるのが無難です。
3-2. 今のお風呂の劣化状態を確認
マンションの築年数によっては、配管そのものがかなり劣化している可能性もあります。
場合によっては、リフォームと合わせて配管も同時に交換した方がいいというケースもあるのです。
それを知らずにお風呂だけリフォームして後から配管が故障すると、新品のお風呂に再び穴をあけて工事する羽目になります。
二度手間にならないよう、劣化状態などはしっかり確認しておきましょう。使用して8年以上が経っている場合は配管の交換も同時にするのがおすすめです。
3-3. 階数によっては追加料金が発生
2階以上の場合、工事に必要な材料を運び上げるのに別途料金がかかる場合があります。業者にリフォームを依頼するときには階数もしっかり伝えておきましょう。
そして運び上げなどの追加料金も含めた見積りをもらっておくと安心です。
3-4. お風呂の広さにユニットバスが合わない場合も
安くてお手軽なユニットバスですが、既製品のため自宅のお風呂にサイズが合わない可能性もあります。
事前にお風呂の内寸を測っておき、業者に伝えるだけではなく現地調査に来てもらったときにしっかりと測りなおしてもらうことが重要です。
ユニットバスで丁度良いサイズが無い場合は、在来工法を交えたリフォームになる可能性もあります。
3-5. お風呂の間取りを変えられない場合も
浴槽の位置を変更したいと思っている場合、配管の都合などでそれが出来ない可能性もあります。
間取りに関してはリフォーム業者と相談し、現地調査の時に希望の間取りが可能かどうか判断してもらいましょう。
3-6. ジャグジー機能は別途事前申請が必要な場合も
ジャグジー機能をつける場合、事前に確認が必要です。というのも、場合によっては騒音などの観点で取り付けが禁止されている場合があるからです。
ジャグジーは音を発する機能なので、近隣トラブルも懸念されます。新規に取り付けをする場合は確認を取りましょう。
スムーズに理想のお風呂を導入するために…
最後に、より自分の理想に近いお風呂をスムーズに導入するためのポイントをご紹介します。
4-1. ショールームへ足を運ぶ
まずはショールームへ足を運びましょう。全国の色々な場所に、ユニットバスメーカーのショールームがあります。
ショールームには実際のお風呂に触れ、機能を体験できるコーナーも。実物を見ることで、よりイメージも沸きやすくなるでしょう。
カタログやネット上だけでなく、実際のお風呂に触れるのも1つの手です。ショールームに行って、希望の商品が変わる人も少なくありません。是非色々な商品を体験してみて下さい。
4-2. 計画的なプランを立てる
突発的な故障に伴うリフォーム以外は、計画的にプランを練ることをお勧めします。工事に着工するまでにおよそ3か月程度の準備期間があれば、十分でしょう。
その間に、デザインを決めたり業者を選定したり、現地調査をして見積りをもらいます。
ちなみにリフォーム工事が混み合うのは春と秋。その時期にかぶると業者が多忙になり、思うように工事に入れない場合もあります。
そのため早めに計画し、早めに依頼することでしっかりと工事の日程を抑えられるというメリットもあるのです。
4-3. 近隣住民にも配慮を
お風呂のリフォームは工事を伴います。場合によっては2日以上にわたる長い工事になることも。
そんな時、近隣の方にも配慮することが重要です。工事は基本的に日中ですが、大きな音を発します。
迷惑になることを想定して、工事の少し前にあいさつをしておくと無難です。
まとめ
マンションにおけるお風呂のリフォームについてご紹介しました。
マンションのリフォームは色々と注意すべきポイントがありますが、それさえクリアすれば後は思いのままのお風呂を実現できます。
先ほどご紹介したお風呂の素材などを検討し、どのようなデザインにしようかじっくりと決めて下さい!