ゆっくりと浸かり、1日の疲れを癒すお風呂。皆さんは、お風呂のサイズはどれくらいが理想なのか、ご存知でしょうか。
実際、「自宅のお風呂がなんだか狭い…。」「お風呂をもっと広くしたい。」そんな思いを抱いたことがある方もいらっしゃると思います。
実際にはお風呂を広くするリフォームにはなかなか踏み切れないという方もいるでしょう。しかし、お風呂のサイズは意外にも非常に重要です。一度気になると、ずっとお風呂に対する不満が残ってしまいます。
ここからは、お風呂のサイズを自分に合ったものへ変えるリフォームについて詳しくご紹介していきます。お風呂の標準サイズや、お風呂を広げる方法など、気になるリフォーム事情を一挙大公開。この記事を読めば、きっとあなたに合ったサイズのお風呂のリフォーム方法が理解できることでしょう。
お風呂のリフォームについて
まずはお風呂のリフォームに関する基本的な知識からご紹介していきます。
1-1. ユニットバスへのリフォームが主流
古いお風呂や従来のお風呂は、タイル張りで真四角の浴槽というのが一般的でした。これは在来工法と呼ばれる方法によって作られるお風呂です。
それに対して近年では、ユニットバスというお風呂の種類が主流になっています。ユニットバスは既存の規格のお風呂を、浴室内で組み立てるだけの簡単なお風呂です。
コストも工事の手間も抑えられるうえ、保温性に優れデザインも色々選べます。一軒家でも戸建てでも人気のリフォーム方法です。
1-2. お風呂のサイズ表記
お風呂のサイズは一般的に3種類の表記で表されます。
1つは「1014」といった数字表記です。これは100cm×140cmというお風呂の内寸を示しています。
2つめは「坪」表記。これはお風呂の外寸を測り、底面の広さで示したサイズ表記です。
そして3つめは「畳」表記。これもまたお風呂の底面の広さでサイズを示した表記です。
それぞれの表記を並べてみると、以下の通りです。
ユニットバスサイズ |
坪 |
畳 |
1410 |
0.75 |
1.5 |
1116 |
||
1216 |
||
1217 |
||
1317 |
||
1418 |
||
1616 |
1 |
2 |
1717 |
||
1618 |
1.25 |
2.5 |
1620 |
||
1621 |
||
1624 |
1.5 |
3 |
1818 |
ちなみに同じ表記のユニットバスでも、戸建て用とマンション用で実際のサイズが異なる場合があります。集合住宅用のユニットバスは天井が低めに作られている傾向があるのです。
さらには木造住宅向けの規格で作られているものも、実際のサイズが異なる場合があります。
1-3. 一般的なユニットバスのサイズ
では平均的なお風呂のサイズとはどのくらいなのでしょうか。それは戸建てか集合住宅かによっても異なります。
戸建ての場合は、1216サイズ・1616サイズが平均的です。さらにマンションの場合は1418サイズ、1620サイズが平均サイズとなっています。
どちらも坪数でいえば0.75坪~1.0坪。特に1.0坪サイズのお風呂が採用されやすい傾向にあります。
1-4. お風呂のサイズの測り方
自宅にぴったりのお風呂を探すには、まずお風呂のサイズを自分で測る必要があります。測り方は非常に簡単です。お風呂の奥行きと幅の内寸を測るだけ。
例えば奥行きが120cmで幅が160cmだった場合、お風呂のサイズは1216サイズといえます。
手軽にメジャーで測れるので、是非お風呂のリフォームを検討されるときには自分自身で測ってみて下さい。
最適なお風呂のサイズとは?
最適なお風呂のサイズを選ぶ際、ポイントとなるのは浴槽の幅と洗い場の広さです。それではそれぞれ、どの程度のサイズがあればよいのかご紹介していきます。
2-1. 浴槽幅
多くの方が気にするのがこの浴槽幅です。足をのばしてゆっくりとお風呂に入りたいというのは、誰しもの理想でしょう。幅が少々狭くても、足をのばすことができればかなりの開放感があります。
そんな浴槽の幅は、最低でも130cm以上あるとよいでしょう。130cm幅の浴槽の場合、身長160cm以下の方にとっては比較的ゆったりと入ることが出来ます。
もう少し身長が高い方の場合は、160cmあれば十分に足をのばすことが出来ます。ちなみに160cm~180cmの幅なら、親子で入浴するのにも差支えありません。
2-2. 洗い場
続いて洗い場のサイズについてです。浴槽の幅は決まっており、坪数に応じて洗い場の広さも決まります。一般的に1人で使う場合は、1坪のお風呂で十分とされています。
しかしお子さんと一緒に入る場合は1.25坪程度あると非常に便利です。介護や車いすなどでお風呂に入る必要がある場合は、1.5坪程度あると2人で余裕をもって入れるでしょう。
ちなみに洗い場は広ければいいというものでもありません。例えば1人利用で広すぎる洗い場にすると、かえって寒々しくなる場合もあります。
また、洗い場を広くするとその分保温性が下がるうえ、掃除の手間も増えてしまいます。
それを考えると、必要に応じて1~1.25坪程度で抑えるのが無難でしょう。
ユニットバスへのリフォームが難しい場合も
人気のユニットバスへのリフォームですが、既存のお風呂の状況によってはリフォームが難しい場合もあります。
ここからはユニットバスの導入が難しいケースについてご紹介します。
3-1. 搬入における間口が足りない
ユニットバスは既存のお風呂を解体した状態で搬入し、お風呂の中で組み立てていきます。そのため、大きな部材や床材・パネルなどを運び込む必要があります。
ユニットバスの搬入に必要な間口は一般的に65cm。曲がり角などは75cm以上あれば運び込めるとされています。
しかし家の構造上、こうした間口が取れない場合もあります。その場合はどこかの壁をいったん取り壊して入れるなどといった追加の工事が必要となります。
気になる方は一度家の搬入経路の広さを測っておくといいかもしれません。もし取り壊しなどが必要な場合は、それも含めた見積書をもらうようにしましょう。
3-2. お風呂の間取りが四角形ではない
戸建ての家によくありがちなのが、お風呂の形状が四角ではないという状態です。どういうことかというと、例えば柱が飛び出している分壁がでこぼこしているなど。
つまり直方体のユニットバスがぴたっとはまらないと、ユニットバスはそのまま組み立てられないのです。
特殊な間取りをしているお風呂や、形の変わったお風呂は要注意。飛び出た部分の処理をどうするかによって、工事費が大きく変わります。
もちろんそういった形状だからといって必ずしもリフォームできない訳ではありません。工事経験の多い、信頼できる業者に頼むことで理想のお風呂へリフォームできるでしょう。
3-3. 在来工法のお風呂
元々のお風呂がタイル張りの在来工法のお風呂だった場合。このケースはユニットバスからユニットバスへ変えるよりも少々手間がかかります。
このタイプの場合、いったんタイルをはがすなどしてお風呂を撤去します。そしてすべてを取り壊した後にコンクリートを改めて流し込み、土台を作ってからユニットバスを入れるのです。
一方、ユニットバスからユニットバスへリフォームする場合は、ただ既存のお風呂を取り壊して新しいものを組み立てるだけで済みます。取り壊してから土台をつくる手間が無いのです。
既存のお風呂がユニットバスである場合と比べて、手間も費用もかかってしまいがちなので注意しましょう。
お風呂をサイズアップするには
「お風呂のサイズを大きくしたいな」と思ったときに、一概に大きなお風呂を入れればいいわけではありません。お風呂のサイズ感をアップさせる方法は、実は色々あるのです。
4-1. 大きい浴槽を導入する
最も単純な方法は、広さはそのままに一回り大きな浴槽を導入するというリフォーム方法です。このリフォーム方法は、洗い場のスペースに余裕がある場合に適しています。
「浴槽は狭いのに洗い場にはまだ余裕がある」というお風呂なら、一回り大きな浴槽を入れてみるのもいいでしょう。
また10年以上の前のものによくありがちなのが、お風呂のフチの部分が分厚い構造になっているお風呂です。それを現代のユニットバスに変えれば、浴槽の低面積はそのままに。
そして洗い場も侵食することなく浴槽の内部だけが広々使えるようになることもあります。
4-2. 間取りを変える
浴槽を配置している場所を変えるだけで、スペースが生まれることもあります。
例えばお風呂の奥に配置されていたお風呂を、入って左側に移動させるなど。
お風呂全体を取り換える機会だからこそ、間取りごと変えてしまうというのもアリでしょう。お風呂のイメージががらりと変わり、まるで引っ越したような心機一転が出来ます。
また在来工法のお風呂からユニットバスにリフォームする場合、ユニットバスの構造上必然的に間取りを変更せざるを得ないこともあります。
4-3. 配管を調節する
お風呂の配管の位置を変えるなどして、新たにスペースを生み出すことも出来ます。
特に従来のお風呂は、お風呂の中でかなり配管が場所を食っているケースが多数。それらの配管をより機能的に収納することによって、お風呂を今まで以上に広く使えることがあるのです。
お風呂の配管を移動させることでスペースが出来るかどうかは、現地調査に来たリフォーム業者に判断してもらいましょう。
この方法が利用できれば、壁を壊すことも無くお風呂を広げられるので一石二鳥です。
4-4. 脱衣所を狭める
お風呂の内部で工夫できない場合は、脱衣所を少々狭くしてお風呂のスペースを広げるという方法もあります。
この場合、いったん脱衣所とお風呂の壁を取り払います。そしてお風呂の間取りを再構築し、ユニットバスを組み立てた後に再び壁を作るというリフォームになります。
これより前にご紹介した方法よりも手間はかかりますが、外側の壁を壊して増築するよりもずっと簡単な方法です。どうしてもお風呂の間取りを広げたいという方にはおすすめです。
4-5. 出窓を作る
お風呂にちょっとした出窓を作るのもいいでしょう。出窓を作ることで浴槽の幅に余裕が生まれることもあります。
お風呂全体を広げなくても、出窓が1つあれば大分印象が変わります。壁を抜くような工事でもないので、比較的手軽なのも魅力です。
さらに出窓が付くことでお風呂の明るさも期待できます。日の入るお風呂は開放的で、清潔感のあるイメージを持ちやすくなります。
4-6. 天井を上げる
お風呂のサイズアップをする奥の手として、天井を上げるという方法があります。
マンションでは工事の範囲がかなり限られますが、一戸建ての場合は天井を数センチ上げるリフォームをしてみるのもおすすめです。
低面積が同じでも、頭上にゆとりが生まれることで印象はかなり変わります。数センチでもかなりの開放感が生まれるので、おすすめの方法です。
まとめ
お風呂のサイズアップについてご紹介しました。
まずはご自身のお風呂のサイズを測り、どこをどう広げたいのか考えてみましょう。
そしてあらかたリフォームの内容が検討出来たら、実際にショールームへ行ってみることをおすすめします。
ショールームで実際の商品に触れることでより一層イメージもリアルに沸きます。
理想的なお風呂に出会うため、着実に準備をしていきましょう。