長年一つの家に住んでいると、お風呂のリフォームを検討する方も多いでしょう。自分好みのお風呂にリフォームし、贅沢なバスタイムを楽しむのは誰しもが憧れですよね。皆さんは、お風呂のリフォームのメリットをご存知ですか?
実際のところ、「綺麗になるのは良さそうだけど、どのくらいの手間がかかるのかわからない…」といった方も少なくありません。
しかし、お風呂を使っていくならいずれにせよリフォームにどれくらいの時間や費用がかかるのかを知っておく必要があります。お風呂のリフォームはそう気軽に出来るものではありません。お金も時間も、そして準備にも手間がかかるのです。
ここからは、お風呂リフォームのメリットとデメリットを一覧でご紹介します。何があなたにとって最適な選択肢かが理解できることでしょう。
お風呂のリフォームとは
まずはお風呂のリフォームの概要、そして期間や値段について見ていきましょう。
1-1. お風呂のリフォームの種類
お風呂をリフォームするにあたって、新規に導入するお風呂の種類は3種類に分かれます。
1つはユニットバス。これはあらかじめ浴槽や床、壁、天井などが1セットになっているタイプのお風呂です。
それに対して2つめは在来工法というもの。これは浴槽の形や素材から全て自分でこだわれる工法です。防水加工をしてからコンクリートを打ち込む作業があり、こだわれる分工数がかかります。
さらに3つめはハーフユニットバスというものです。ハーフユニットバスは床と浴槽、壁の一部がセットになっているお風呂です。天井や壁の上部などは自分で好きなようにカスタムすることが出来ます。ユニットバスと在来工法を合わせたリフォームといえますね。
1-2. お風呂のリフォームにかかる期間
ではお風呂を実際にリフォームすると、どのくらいの値段がかかるのでしょうか。
最も短い期間で完成するのがユニットバスへのリフォームです。ユニットバスの場合、工事は1日から3日程度で完了します。
そして次がハーフユニットバスへのリフォーム。これは4~10日間の工事期間が必要です。特に既存のお風呂が在来工法の場合は余計に時間がかかります。
最後に在来工法へのリフォームをした場合ですが、これは最低でも1週間は見積もっておいた方が良いでしょう。こだわった部分が多くい場合などには20日以上かかってしまう場合もあり、かなり大がかかりな工事になります。
1-3. お風呂のリフォームにかかる値段
続いて気になるのはリフォームにかかる値段です。値段もまたリフォームの種類によって異なります。
最も安いのはユニットバスを新しいユニットバスに交換する場合。この場合は本体価格が約50万円~。そして工事費約20万円~で、合計約70万円~というのが相場となります。
その他のリフォームに関しては使う素材やデザイン、自分のこだわりなどによって相場が大きく異なるため上限はありません。
リフォーム前の見積りは細かく確認しておきましょう。
お風呂リフォームのメリット
工期や値段を見るとリフォームを躊躇してしまう方もいるかもしれません。しかしお風呂のリフォームには多くのメリットがあります。
2-1. お風呂の保温性が高まる
お風呂は常に改良が進み、より機能性の高い商品へと日々進化しています。10年前に導入したユニットバスと現在販売されているユニットバスでは全く性能が違うのです。
例えばお風呂の保温性。「冬場のお風呂が寒い!」と感じたことはありませんか?そんな寒さも、リフォームで改善することが出来ます。隙間風の吹いてくるドアを密閉し、冷たさを感じない床のタイルへ変更。また浴室暖房をつけても良いでしょう。
このように寒さ対策をすることで、湯冷めやヒートショックなどのリスクを減らせるのです。
2-2. お風呂の水はけがよくなる
お風呂のタイルの素材を変えるだけで、お風呂の水はけがよくなります。
水はけがよくなればお風呂にカビが発生しにくくなるというメリットがあります。さらに水垢も付きにくくなり、お風呂を清潔に保てるのです。
溜まった水に足をついた時にヒヤッとすることもありません。
2-3. お風呂が安全な構造になる
リフォームに多いのが、介護仕様やお年寄りが入れる仕様にするというものです。
お風呂は転倒などの事故が絶えず、実は家の中でも危険な場所。そんなお風呂の段差をなくしたり、随所に手すりを付けたりすることによってより安全性が高まります。
さらに床を滑りにくいタイルに変更することも出来ます。ツルツルしないタイルに変えることによって、滑らず歩くことが出来るのです。
2-4. お風呂掃除が楽になる
お風呂のリフォームは使いやすさだけでなく、メンテナンスのしやすさという観点でもメリットがあります。
たとえば、タイルの目はカビが生えやすい部分です。しかしそれを目のない壁や床に変えることで、カビの発生を抑えられます。
また一回汚れてしまっても、再び掃除すれば綺麗になりやすい素材を使うことも出来ます。
さらにお風呂そのものに配管の洗浄機能が付いているなど、リフォームはよりお風呂掃除を楽にしてくれるのです。
2-5. お風呂の自分好みに変えられる
リフォームの醍醐味といえばやはりこれでしょう。
自分でお風呂の内装やデザインにこだわり、自分だけのお風呂を完成させる。なんだかワクワクしますよね。
特に在来工法なら、一から業者と打ち合わせをして設計にこだわることが出来ます。窓をつけたり、木をあしらってみたり、デザインは自由自在。
毎日のお風呂が楽しくなること間違いなしです。
2-6. 追加機能でお風呂がより快適になる
お風呂のリフォームにはオプションというものがあります。これは浴槽や壁、床、天井以外に付ける機能のことです。
例えば暖房喚起乾燥機をつけるのも一つの選択肢といえます。
他には節水効果の高いシャワーをつけたり、湯気が空気を含むエアインシャワーを取り入れるなど。
今のお風呂にプラスの要素を加えることで、より快適なお風呂を楽しむことができるようになります。
2-7. 防水機能が高まる
10年以上使用しているお風呂は、問題なく使えているようでも実は劣化しています。リフォームのために解体したら、配管が水漏れ寸前だったという事例も少なくありません。
お風呂をリフォームすることで、水漏れ対策をしっかりと行うこともできます。
万が一水漏れしてしまうと、マンションの場合は下の階の人に迷惑をかけてしまうこともあります。
防水機能の高いお風呂へリフォームすることで、こうしたリスクを低減できるのです。
2-8. 短期間で工事を終えられる場合がある
お風呂のリフォームはかなり長期間の工事が必要だと思っている方も少なくありません。
しかし、先ほどもご紹介したように実は即日からお風呂のリフォームは出来るのです。
在来工法でしっかりとこだわりたい方は長期間の工事が必要ですが、ユニットバスへのリフォームであれば比較的簡単に終了します。
家にいつも通り住みながらリフォームが進められるのは非常に手軽ですね。
お風呂リフォームのデメリット
一方、お風呂のリフォームにはデメリットもあります。
3-1. お風呂に入れない時間がある
お風呂をリフォームするとなると、どうしてもお風呂に入れない時間が出てきます。断水や給湯器の交換をする時と同様です。
即日工事できるならまだしも、10日以上の工数となると毎日銭湯に通うのは中々面倒です。
近くに家族や親戚が住んでいればそこを借りる、もしくはホテルに宿泊するなど、リフォーム中にどこでお風呂を済ませるか事前に考えておくと良いでしょう。
3-2. お金がかかる
お風呂のリフォームにはもちろんお金がかかります。最低でも70万円とご紹介しましたが、怖いのは上限が無いということです。
特に在来工法の場合、大掛かりな工事である上にこだわればこだわるほど金額はアップしていきます。100万円を超えることも珍しくありません。
あらかじめ自分でこだわりたい部分とそうでない部分を検討し、見積もり作成の時に相談することをおすすめします。
予算をあらかじめ組んでおくのもポイント。これくらいの価格で、といえばリフォーム会社も金額に見合った提案をしてくれます。
また見積りは一社でなく色々なリフォーム会社からもらうことで、価格交渉の材料にもなるのでおすすめです。
3-3. 思っていたお風呂にならない場合も
ハーフユニットバス、在来工法のデメリットとして、完成したものが自分のイメージと異なる場合があります。また、良かれと思って付けたオプションが結果的に要らなかったということもあります。
せっかくこだわってお金もかけたのにそれではガッカリですよね。
自分の指定したデザインは何度も確認し、不備が無いか気をつけることが重要です。
またショールームに足を運んで実際のデザインや使い勝手を体感してみると、よりイメージがわくでしょう。
3-4. 追加料金が発生する場合がある
元のお風呂の劣化が進んでいた場合などは、工事の他に補修代金が発生する場合があります。こうしたイレギュラーな出費も含めて予算を組んでおくと安心です。
他にも、工事が長引いた時に他の宿をとった場合のホテル代など、あらゆる出費が考えられます。
工事の見積り内訳だけではなく、他にかかるお金を担当者などと確認しながら準備を進めていきましょう。
3-5. 自分でカスタムできない箇所がある
ユニットバスやハーフユニットバスの場合は、ある程度お風呂のデザインが1セットになっています。そのため、1から自分でこだわりたいという人には向いていないかもしれません。
また在来工法でも浴室の構造上、自分の希望が通らないというケースもあります。
このような場合は妥協案を探して、出来るだけ希望に近いお風呂へ仕上げられるように打ち合わせしていくのが無難です。
3-6. 部品の後付けができない場合がある
特に在来工法の場合、部品や部材の後付けが出来ない場合があります。
例えば和風タイプや猫足バスタブなどといった変わったデザインにした場合、その後のリフォームが限られる場合があるので注意しましょう。
3-7. 家の構造によってはお風呂が入らない場合もある
ユニットバスの場合、すでに完成しているお風呂を浴室にはめこむような工事が必要となります。
しかし家の浴室の天井が非常に高かったり、ユニットバスの規格に合わなかったりすることもしばしば。
こうした場合は追加での工事が必要になったり、ハーフユニットバスの方がかえって工事しやすい場合もあります。
まとめ
お風呂リフォームのメリットとデメリットをご紹介しました。
お風呂のリフォームは気分を心機一転するだけでなく、お風呂の安全面や機能面を高めることにも繋がります。
一方、資金の準備や見積りの取り方については少々注意しなくてはならない点もありました。
予算と時間には余裕を持ち、しっかりと準備をした上でリフォームをすることが重要です。綿密に準備をすれば、工事もスムーズに問題なく希望通りのお風呂が完成するでしょう。