一日の疲れをゆっくりと癒すことができるお風呂。皆さんは、お風呂に入ったとき床や空気の冷たさに「ヒヤッ」としたことはありませんか?
実際のところ、「お風呂があたたまるまでが寒いからどうにかしたい…」と思う方も多くいらっしゃいます。特に冬などは寒さがつらいですよね。
せっかくお風呂に入るならこのようなストレスもなく、しっかりと芯まで体を温めたいものです。実は、そんな理想的なお風呂を目指して、「よりお風呂を暖かくするリフォーム」を検討する人が近年増えているのです。
ここからは、より暖かいお風呂を実現するリフォームについてご紹介していきます。この記事を読めば、どのようにすれば効率的に暖かいお風呂に入れるかが理解できることでしょう。
お風呂のリフォームの種類
まずはお風呂のリフォームにどのような種類があるのか、ご紹介します。
1-1. お風呂の全体をリフォーム
まずはお風呂全体のリフォームです。床から浴槽、天井まですべて既存のお風呂を取り壊し、新規に作り変えるリフォームがこの方法に当たります。
ちなみに全体リフォームの工法は主に2種類。
1つはすべてをオーダーメイドで職人に作ってもらう「在来工法」という工事方法です。
2つめは組み立て式で規格品のお風呂を搬入し、お風呂の中で組み立てるという「ユニットバス」です。
ちなみに密閉性の高いユニットバスの方が在来工法のお風呂よりも暖かい傾向にあります。
1-2. お風呂の一部をリフォーム
続いてお風呂の一部をリフォームする方法です。お風呂を全部取り換えなくても、一部だけをリフォームすることもできます。
例えば浴槽の交換。浴槽は約30年で寿命が来るとされています。浴槽の汚れやヒビが気になった場合、浴槽のみを交換することもできます。
浴槽の交換だけならおよそ5万円~30万円程度で可能。
ほかにも床だけの塗装や張替えなどもリフォームの1つです。
壁のカビなどが気になる場合は壁の一部だけを塗装するというリフォームのパターンもあります。
ちなみに壁や床に関しては、塗装しなおすリフォームとパネルやシートを貼りなおすリフォームがあります。
1-3. お風呂に機能を付け足すリフォーム
最後に、お風呂に新たに機能を付け足すリフォーム方法です。この場合、既存のお風呂は変えずにそのまま使えます。
例えば、浴室暖房乾燥機を追加でつける場合はこのタイプのリフォームにあたります。浴室暖房乾燥機は約5万円~約15万円程度で購入できます。
また、追い炊き機能を付けるのもこの方法にあたります。
お風呂に追い炊き配管用の穴をあけ、専用の給湯器を用意すればそのままのお風呂に追い炊き機能を付けることが出来るのです。
暖かいお風呂へリフォームするメリット
暖かいお風呂へリフォームすることで、当然ながら快適性がアップします。しかし暖かいお風呂へリフォームすることによるメリットはそれだけではありません。
ここからはお風呂の暖かさをアップすることで得られるメリットをご紹介します。
2-1. 快適性が上がる
まず一番のメリットは言わずもがなですが、快適性のアップです。
暖かいお風呂に入ることは心身のリラックスを促進し、非常に癒されます。寒いお風呂特有の不快感も減り、落ち着いてお風呂に入ることもできます。
暖かいお風呂は保温性も高いので、長くお湯に浸かっていても適温をしっかりキープしてくれます。
その結果、じんわりと体を温めてくれるのでしっかりと体の芯から温まります。
体が温まると湯冷めもしにくく、風邪を引きにくいというメリットがあります。
2-2. 経済的
暖かいお風呂は、全体の保温性も高い傾向にあります。特にユニットバスは保温性が高いことでも評判です。
保温性が高いと浴槽のお湯の温度も下がりにくいという特徴があります。すると、長時間時間をあけて入浴する時にも追い炊きが不要。
次の人も暖かいお風呂にそのまま入ることが出来ます。さらにお風呂全体の保温性が高ければ、空間にもあたたかい空気が保たれています。
そうすれば暖房機を付けなくても快適に入れるでしょう。
結果的に、保温性の高いお風呂は無駄な追い炊きや暖房代をカットしてくれるので非常に経済的なのです。
2-3. ヒートショックのリスクが下がる
寒いお風呂で怖いのが「ヒートショック」。ヒートショックは脱衣所とお風呂の温度差に体がついていけず、心筋梗塞や不整脈を起こすというものです。
これは特に高齢者に多い症状で、最悪の場合死に至ることもあります。
保温性が高く常に暖かいお風呂にリフォームすることによって、こうしたヒートショックのリスクを下げることが出来るのです。
暖かいお風呂は快適性が上がるだけだと思われがちですが、安全面でも大きなメリットがあるといえます。
暖かいお風呂へのリフォーム方法
それではお風呂を暖かくするのにどのようなリフォーム方法があるのか見ていきましょう。
3-1. 保温性の高いユニットバスへ変更
まずは丸ごとお風呂を取り換える場合のリフォームです。既存のお風呂よりも保温性の高いものに変えることで、今よりも暖かいお風呂を実現することが出来ます。
保温性を重視するならユニットバスへリフォームするのがおすすめ。そして特に床や壁、浴槽などに断熱材がしっかりと入ったユニットバスが良いでしょう。
保温性の高いユニットバスのメーカーについては後程ご紹介するので、そちらをご覧ください。
3-2. 浴槽を保温性の高いものに変更
続いて浴槽のみを保温性の高いものに変えるリフォームです。
浴槽にも色々な種類がありますが、保温性が高いとされるのはTRPやホーロー素材の浴槽です。FRPとはFiber Reinforced Plasticという、ガラス繊維強化プラスチックと呼ばれています。
一般的なユニットバスに使われるのはこの素材で、保温性と共に耐久性にも優れています。価格も比較的安価で、購入しやすいのもメリットの1つです。
続いてホーローは、食器や鍋にも使われる素材です。保温性が高い上に耐久性も非常に高く、肌触りがなめらかで高級感あふれる素材といえます。
ちなみにホーローはFRPに比べて少々値段が張る傾向にあるので、お金に余裕があれば検討するのもいいでしょう。
また、保温シートを追加で巻くことでより一層保温効果を高めることもできます。
3-3. 窓の密閉性を上げる
古いお風呂や一軒家のお風呂によくありがちなのが、窓から冷気が入ってくるというパターンです。せっかく浴槽自体の保温性が高くても、窓から冷たい外気が入ってきてはせっかくのお湯が冷めてしまいます。
そこで対策として、窓の密閉度を上げるというリフォームをするのも1つの手です。
例えば、DIYで簡単な内窓を取り付けるだけでもかなり保温性が上がります。
内窓の作り方は簡単。プラスチック段ボールなどを窓枠に合わせて切り、木枠などにはめこむだけでOK。これだけでもかなりの断熱効果があります。
もちろんDIYが不安な方は業者に頼んで本格的な内窓をつけてもらうのもいいでしょう。
3-4. 床を断熱材入りのものに変える
床のひんやり感がなくなるだけで、お風呂はかなり快適になります。床の冷たさが気になる方やコストを抑えたい方は床だけリフォームしてみるのもアリでしょう。
床の素材を変える場合は、タイル貼りではなく樹脂などの素材がおすすめです。
タイルは水はけが悪く冷たくなりやすい反面、樹脂製で水はけのいいものは保温性が非常に高いのです。
さらに断熱素材が床下に入っていてクッション性の高いものなら、さらに保温性も上がります。
床からの冷たさが軽減されるだけでもだいぶお風呂の印象が変わりますよ。
3-5. 浴室暖房乾燥機を取り付ける
お風呂の大掛かりなリフォームが難しいという方は、浴室暖房乾燥機だけを追加で取り付けてみるのもいいでしょう。
浴室暖房乾燥機にはビルトインタイプ、天井吊り下げタイプ、壁掛けタイプの3種類があります。お風呂にある換気扇の種類に合わせて工事をすることで、手間も最低限に抑えることが出来ます。
浴室暖房乾燥機はお風呂に入る前に稼働させておくことで、ヒートショック対策にも効果的です。また、洗濯物をお風呂で乾かすこともできるようになり一石二鳥。
どんなお風呂でも暖かくしてくれる便利アイテムです。
3-6. オプションで保温性を上げる
ユニットバスのメーカーには色々なものがありますが、それぞれのメーカーからよりお風呂を暖かく楽しむためのオプションが開発されています。
例えばクリナップの開発した「常夏シャワー」。これはクリナップのユニットバスにオプション機能として付けることが出来ます。
常夏シャワーは浴槽のカウンターから暖かいお湯が出ることで床温を25度にまで上げてくれるという機能です。
ほかにはパナソニックの「酸素美発砲湯」。浴槽内に酸素のマイクロバブルを発生させ、細かい泡が体を包んでくれるというオプション機能です。これを使うことでより保温性がアップし、湯冷めしにくいという効果があります。
このように、メーカーによって異なるオプション機能があります。
これらを導入することによってお風呂をより暖かく快適にすることも出来るのです。
3-7. お風呂を狭くする
広すぎるお風呂はかえって保温効果を損ないます。特に在来工法の場合は密閉性も下がり、外の冷たい外気が入ってきがちです。
さらに浴室暖房乾燥機を使うにも、広い面積を温めるには時間を要します。
現在のお風呂にもし狭くする余地がある場合は、一回り小さなお風呂にしてみるのもいいかもしれませんね。
保温性の高いユニットバスメーカー
それでは続いて保温性の高いユニットバスを販売しているメーカーについてご紹介していきます。
4-1. TOTO
まずはトイレのメーカーとしても有名なTOTOです。TOTOの保温に着目した機能といえば、「ほっカラリ床」。
TOTOのユニットバスの多くに標準装備されている独自技術が搭載された床です。この床は非常に保温性が高い上に水はけが良く、冷たい床にひやっとすることがありません。
いつでもカラリと乾いて、過度に冷たくなることがありません。
また断熱素材が入っており、クッション性も高いのが特徴。ふわっとした踏み心地に購入を決める人も多いようです。
そして浴槽にも保温機能が搭載。その名も「魔法びん浴槽」です。
この浴槽は浴槽とフタのどちらにも断熱材が装備されています。4時間経過しても、残り湯が最高2.5度しか下がらないという驚異の保温力です。
これなら追い炊き回数も少なく済み、暖かい上に経済的で一石二鳥ですね。
4-2. クリナップ
続いてクリナップ。このメーカーもまたユニットバスの保温には力を注いでいます。
クリナップのユニットバスの多くには「浴室まるごと保温」という機能が搭載されています。これはなんと床・壁・天井のすべてに断熱材を搭載したシステムです。
その名の通り、浴室全面に断熱材をあしらうことで密閉性が上がり、保温効果がアップします。
どれ程のものなのかというと、入浴中の室温が35度台だとすれば、入浴終了後30分後にも20度台をキープできるくらいの保温性です。
30分経っても暖かさがキープできるのは非常に保温性が高いといえるでしょう。
まとめ
暖かいお風呂へのリフォームについてご紹介しました。
よりお風呂を暖かくするには、色々なリフォーム方法があることをお分かりいただけたでしょうか。
一概に丸ごとお風呂を取り換えなくても、一部のリフォームで劇的に保温性が上がる場合もあります。
我が家にはどのようなリフォームが適しているのか、ぜひ検討してみてください!